吃音はどうしてなかなか治らない?

吃音の治療や直し方に関しては、様々な方法が世の中には存在するようだが、どれも核心を突くものではなく、原因がわからないのだから直し方も分からないといったのが現実なのではないかと思う。
少なくとも、今まで私が聞いたことのある治療法で治ったことはない。

吃音は、自分で自覚する前であれば治療できる、と聞いたことがあるがそれはある意味正しいと思う。本人が自覚する前に、その周囲の人間たちがいかに配慮できるかにかかっていると思う。本人に吃音であることを自覚させないように、吃音のことには触れずに普通に接すること、それが最善の方法ではないかと私は思うのである。ただ、それは実際には非常に難しく、実際私が小学生の頃、周囲では、「変な話し方」とか「お、お、おはよう」などと真似する友達もいたし、小学生にそこまでの配慮を要求するのは酷なことだろうと思う。だからこそ、親や先生などの周りの大人が適切な対応をしてあげて欲しい。その大人たちの対応が間違ってしまえば、吃音を自覚してしまった子どもは、長期に渡り容易に吃音を克服することはできないだろう。

私の場合、おとなになった今でも吃音に悩まされているのだが、不思議な事に周期的なものがあり、週または月単位などで、流暢に話せたりどもったりする時期が存在する。単に寝不足やストレスなども関係しているのだろうとも思うのだが、確かに調子のいい時と悪い時は、はっきりと中・長期的に自覚できる。調子が良い時に「治った」と思いがちなのだが、また調子の悪い時期になると、ぶり返す風邪のように厄介につきまとうのである。こういう事実があるからこそ、なかなか根本的には治らないのだろうな、と思ってしまうわけでもある。