右脳出血後の言葉の障害

昨年末、父が突然倒れた。朝、いつもより起きてくるのが遅いことを不思議に思った母が父の寝室を覗きに行ったのが午前7時。その時すでに父の意識は朦朧としていて、身体が動かない…とうめきながら床にうつぶせに倒れていたらしい。
即、救急車で運ばれた。診断は右脳被殻部分からの脳出血だった。電話で連絡を受けたわたしもすぐ病院へ向かった。
ICUで父に面会することができたのだが、言葉がもごもごしていてうまく聞き取れなかった。脳出血に関して若干知識があったのだが、右脳からの出血でもこんなに言葉が聞き取りづらくなるものなのかと驚いた。後々考えれば、顔の麻痺があったのだから当然なのだが。
救急病院への入院、手術は半月程度で済んだのだが、年始にリハビリ病院へ転院。身体だけでなく言語などのリハビリは本人にとってはかなり苦痛だったようだ。自宅に戻ってこられたのはそれから4ヶ月後の事だった。
発病前は快活で休日の度に趣味の魚釣りをしに各地の川を飛び回っていた父だった。しかし自宅に戻ってからは杖をつきながら自宅の周りを歩くだけの日々。それ以外の時間はほとんどテレビの前から動かなかった。
人としゃべる機会も減り、滑舌は悪くなった。麻痺のため食べたり話したりすると口の中を噛んでしまい、ただれて余計しゃべりにくくなるらしい。
当然のように話すのが遅くなった。早口になると言葉が追いつかず周りは聞き取りにくくなる。
脳出血の場合、左脳の出血で言語障害がでることはよく知られているが、右脳の出血でも程度によって滑舌が悪くなったり、認知や記憶能力の低下によって言葉の障害がでることを知った。