吃音者として思うこと

普段話していて、このひと吃音だなと思う人は、あまりいないかもしれません。TVなどを見ていても、話すことが専門のアナウンサーでも、言葉を噛んだり、言いよどむことはあります。普通の人も、人前で話すなど緊張する場面では、上手に話せない場合があります。でも、それをあとあとまで気に病むということは、あまりないのではないでしょうか。

吃音者の場合は、もしそういうことがあった場合、いつまでも心に残ってしまうものなんです。失敗した、またうまくいかなかった、もう嫌だ、などいつまでも考えてしまいます。なるべく人と話さないような仕事を選ぶこともあります。

私の場合は、小さい頃近所に、吃音の人がいて、その人の真似をしたのがきっかけです。小さな子供に、真似された人はどんなに辛かっただろうと今になって思います。
妹も真似をして一時期どもっていましたが、大人になった今は全くどもりません。

身体に原因があり、薬で治ればどんなにいいかと思います。催眠療法で一瞬で治せるならいいのにと思います。本当の自分は、明るい人間だと思いますが、自分が吃音者であることで、自分に制限を設け生きていかなければいけないのが辛いです。

ある意味、プライドが高いのかもしれません。人前で、失敗したくないし、やっぱり恥ずかしいことだと思ってしまいます。小さい頃に、親戚の子に何が言いたいの?と笑いながら聞かれました。私の口から、言葉がなかなか出なかったからです。親戚の子からしたら、その表情が面白かったんだと思います。

そうやってたくさん傷ついてきたから、もう傷つきたくないという思いがあります。